高温ガス炉が新基準「適合」 規制委が正式決定

 原子力規制委員会は6月3日の定例会合で、日本原子力研究開発機構の高温ガス炉「高温工学試験研究炉(HTTR、熱出力3万キロワット)」=茨城県大洗町=が新規制基準に適合しているとする「審査書」を決定した。機構は早ければ2020年度末の運転再開を目指し、必要な工事を進める。
 高温ガス炉は安倍政権が推進する新型原子炉開発の柱で、高効率のガスタービン発電と高温の熱による水素の大量製造を両立させる構想。核燃料の冷却にヘリウムガスを使い、機構は「原理的に福島と同様の事故を起こす可能性がない」と説明する。
 審査書案についてのパブリックコメント(意見公募)では、機構の技術的能力への疑問や、水素製造に原子力を使うべきでないといった批判が18件寄せられたが、規制委の適合判断には影響しなかった。
 HTTRは1998年に初臨界し、950度の高温での連続運転試験などに取り組んだが、11年1月以降は停止している。(宮尾幹成)

HTTRの外観。現在、ガスタービン発電や水素製造の設備はないが、実用化に向けた研究に備え建設用地は確保している=茨城県大洗町で(日本原子力研究開発機構提供)

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