タンク汚染水 1カ月前に漏れ兆候 東電放置

 東京電力は二十七日の原子力規制委員会の作業部会で、福島第一原発で地上タンクから原子炉を冷やした後の処理水が漏れた事故に関し、発覚の一カ月以上前にあたる七月以降、問題のタンク群の近くで作業していた人の被ばく線量が通常より高いなど、漏えいをうかがわせる兆候があったことを明らかにした。水漏れを疑い、チェックを強化していれば、大量の漏れは回避できた可能性がある。

近くで働いていた作業員の被ばく線量が上昇

 東電によると、兆候はタンク群の北側数十メートルにある無線中継所で働いていた作業員に起きていた。中継所付近は、漏れ出した処理水が通り抜けたとみられる地点。
 作業は機材の出し入れなどもあるが短時間で、ほとんどが屋内作業。被ばくはごくわずかのはずだった。ところが、七月上旬から、タンク内の放射性ストロンチウムによるベータ線被ばくが確認されるようになった。八月に入ると、さらに値が上昇。同中旬には一回の作業で約一ミリシーベルトと、建屋内の作業並みの被ばく線量となった。
 このことは、水漏れは少なくとも七月に始まり、徐々に拡大したことを示唆している。
 もし、東電がこうした異変を重視し、タンク周辺の放射線量を調べるなどの対応を取っていれば、少量のうちに水漏れを把握し、一般的なプール一杯分にも相当する約三百トンもの大量漏出にはならなかった。
 一方、タンクが水漏れを起こした場所について、規制委も東電もタンクの底の、鋼板のつなぎ目の可能性が高いとの認識で一致。東電は近く、タンク底のつなぎ目付近に外側から空気を送り込み、内側の水中に泡が出ないか試験をする。

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