温室効果ガスの30年度削減目標を据え置き 政府

 政府の地球温暖化対策推進本部は3月30日、パリ協定に基づき国連に再提出する2030年の温室効果ガス排出削減目標を、現行の「13年度比26%減」に据え置くことを決めた。5年後と定められている次の提出時期を待たずに目標を見直し、強化を目指す方針も掲げた。
 深刻な温暖化に歯止めをかけるため世界の温室効果ガス排出を早急に減らす必要があり、国連のグテレス事務総長は各国に目標強化を求めていた。主要排出国の日本がこれに応じない形となり、環境団体は「世界に通用しない」などと一斉に批判した。

記者会見する小泉環境相=3月30日午後、環境省で

 小泉進次郎環境相は記者会見で「積極的なメッセージとして国内外に発信したい。さまざまな制約がある中で、最善の中身となった」と述べた。二酸化炭素の排出が多い石炭火力発電の扱いを問われたが、廃止は明言しなかった。
 政府は、今後のエネルギー基本計画の改定などを踏まえ、削減目標の見直しを検討する方針。
 パリ協定は産業革命前からの気温上昇を2度未満、できれば1.5度に抑えることを目指す。現在の各国の目標水準では今世紀末までに3度上昇すると予測される。既に100カ国以上が目標強化の意向を示している。
 日本の目標据え置きを受け、世界自然保護基金(WWF)ジャパンは「国際社会で求められるリーダーシップとは真逆だ。他国の目標強化の意欲をそぐ」と批判。350.org日本支部は「排出削減の国際的な要請に逆行する」とした。
 パリ協定は全ての国が目標を設定し、削減状況を5年ごとに検証して可能な限り上積みした新たな目標を定めることを求めている。
 推進本部は持ち回りで開催された。(共同)

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