ふくしまの10年 詩になったアナウンサー⑦ 未来の担い手とともに

「月曜Monday夜はこれから!」で話をする大和田さん

 東日本大震災後、ラジオ福島(福島市)はインターネットのユーストリームを利用して全国で聞くことができる番組を作った。月曜Monday(もんだい)夜はこれから。月曜日の夜7時から9時まで生放送のトーク番組だった。
 司会は大和田新さん(64)。出演者も大和田さんが選ぶ。条件は「本当に福島のことを考えている人」だ。佐藤雄平福島県知事(当時)は津波被害に遭った、いわき明星高校(いわき市)の生徒と出演した。そのとき、同高の復旧工事計画を明かし、その発言がニュースとして報道されるということもあった。
 震災当時、民主党政権で内閣府特命担当相などを務めていた玄葉光一郎衆院議員は、放送日の直前に父親が亡くなった。大和田さんが連絡すると「今日、骨になるんだ。だけど高校生が待っているから」と時間通りに来た。南相馬市の原町高校などの生徒たちと対談することになっていた。
 高校生の一人が冒頭、玄葉さんが約束通りに来たことにお礼を言った。直後の質問は周りを驚かせた。
 「自民党政権に代わって、世の中、うまくいっています。民主党は必要なんですか」
 具体的に玄葉さんがどう答えたか、大和田さんの記憶には残っていない。ただ、懸命に民主党の長所などを力説していたという。
 若者は忖度(そんたく)がない。高校生が相手のとき、ほとんどの大人は答えをはぐらかさず、高校生に分かるように話そうとする。だから面白いと大和田さんはいう。困難も伴うであろう福島の未来の担い手が、番組をともに作り上げてくれる意義は大きかった。
 番組は2017年3月末に惜しまれながら終わった。その間、民放連の賞の受賞や、思いがけないプレゼントもあった。

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