女川原発2号機が新基準に正式適合、大震災被災で2基目

 原子力規制委員会は2月26日の定例会合で、東北電力が再稼働を目指す女川原発2号機(宮城県女川町、石巻市)が原発の新規制基準に適合しているとする「審査書」を決定した。東日本大震災の震源に最も近い原発で、地震・津波対策が焦点となった。規制委発足後、適合は9原発16基目。被災原発では日本原子力発電の東海第二原発(茨城県)に続き2基目。再稼働は事故対策工事が完了する2020年度以降となる見込み。今後は地元自治体の同意手続きが焦点となる。

宮城県の東北電力女川原発。左手前が2号機

 審査書への意見公募では、震災で生じた建屋コンクリートのひび割れや、防潮堤の高さなどについて979件寄せられ、事務局が回答をまとめた。山中伸介委員は会合で「東北にある原発なので地震・津波関係のコメントや質問が多かった。回答は適切だ」と述べた。
 震災時、女川原発では震度6弱を観測し、全3基が自動停止。約13メートルの津波が押し寄せ、2号機の原子炉建屋地下が浸水した。外部電源や非常用発電機に被害もあったが、残った電源によって全基が冷温停止した。

開催された原子力規制委の定例会合=2月26日午前、東京都港区で

 東北電は、13年12月に2号機の審査を申請。耐震設計の目安とする地震の揺れ(基準地震動)は最大加速度1000ガルとした。津波の想定も厳しくし、海抜29メートル、総延長約800メートルの防潮堤を建設中。事故対策費は当初の想定を超える3400億円程度を見込む。規制委は昨年11月に審査書の案をまとめ、意見公募などの手続きを進めていた。
 東京電力福島第一原発と同じ沸騰水型では東電柏崎刈羽6、7号機(新潟県)と東海第二が新基準適合済みだが、いずれも地元自治体の同意手続きが進んでおらず、女川2号機が初の再稼働となる可能性がある。
 東北電は1号機の廃炉を決めており、3号機は再稼働に向け審査の申請を検討中。

新基準 東日本初の再稼働も

 東日本大震災で被災した東北電力女川原発2号機が、審査申請から6年余りを経て、原発の新規制基準に適合した。東京電力福島第一原発事故を受けてできた新基準の下では、東日本初の再稼働原発となる可能性がある。(小川慎一、渡辺聖子)

 原子力規制委員会の審査で新基準に適合して再稼働した原発は、これまで西日本に限られている。関西、四国、九州の3電力会社の5原発9基。ただこれらのうち2原発4基は、テロ対策施設の完成が期限に間に合わず、年内に順次停止する。九電川内1号機(鹿児島県)は3月、2号機は5月に、関電高浜3、4号機(福井県)も8~10月にかけて運転停止し、その期間は4~9カ月の予定だ。
 四国電力伊方3号機(愛媛県)は1月、広島高裁から運転禁止の仮処分決定を受けた。四電は異議を申し立てたが、決定が覆られない限り運転できず、再稼働の見通しは立っていない。
 規制委は7原発11基を審査中。日本原子力発電(原電)敦賀2号機(福井県)の審査は2月、断層に関わるデータの書き換えが判明して中断した。規制委の有識者チームは2015年に原子炉建屋直下に活断層があると評価した報告書をまとめており、審査で活断層と確定されれば、原電は廃炉を余儀なくされる。
 原発の使用済み核燃料からプルトニウムなどを取り出す日本原燃の再処理工場(青森県)と、使用済み核燃料の中間貯蔵施設(同県)の審査がほぼ終了。規制委は今後、事故対策が新基準に適合するとした「審査書案」をまとめる。

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