福島事故セシウム 隅田川の底に続く蓄積 本紙調査

 東京電力福島第一原発事故の放射能汚染問題で、本紙が新たに東京の都心部を流れる隅田川の底土を調査したところ、かなり高い濃度の放射性セシウムが長期的にたまり続ける可能性の高いことが分かった。川は大きく蛇行し、流れが緩いことが大きく影響しているとみられる。

濃度高まる中流域 蛇行や緩い流れ影響か

 本紙は首都圏の湖沼や東京湾、福島県の農地などで汚染の調査を続け、今回が六回目。
 十月から十二月にかけ、隅田川最上流部の岩淵水門(東京都北区)から日の出桟橋(港区)まで八地点(橋では左右両岸)で底土を採取。
 荒川は九月に実施した河口部に加え、埼玉県秩父市まで採取した。底土は乾燥させた後、それぞれ八時間かけ、セシウムの放射能濃度を測定した。
 その結果、荒川は河口域で一キログラム当たり三〇〇ベクレルを超える汚染が確認されたが、さかのぼっていくと濃度が急速に低下。河口部から約十七キロの江北橋(足立区)では一〇〇ベクレルを下回り、もっと上流部では五〇ベクレルを下回るレベルだった(詳細は分析中)。
 一方、隅田川は一四六~三七八ベクレルと全般的に濃度が高く、浅草周辺などの中流域が高かった。水がよどみやすい蛇行部の内側は濃度が高くなる傾向も確認された。
 測定結果について、独協医科大の木村真三准教授(放射線衛生学)は「水量と流れのある荒川は、放射性物質が一気に河口部まで運ばれた。隅田川は流れも緩く、大雨で徐々に海に運ばれていくとしても、濃度が下がるには長い年月がかかる。今後は半減期が三十年と長いセシウム137が汚染の中心となる。市民が底土に触れる機会は少ないだろうが、水がよどむ部分や河口域がどうなっていくのか、監視が重要になる」と分析した。

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