一部地区で初の避難指示解除へ 福島・双葉町の今

 東日本大震災と東京電力福島第一原発事故から9年となるのを前に、原発が立地する福島県双葉町では3月4日に初めて、一部地区で避難指示が解除される。対象は、JR双葉駅と駅前、海沿いの避難指示解除準備区域。特定復興再生拠点区域内は自由に通行できるようになるが、町の96%は帰還困難区域のままで全町民の避難は続く。人が住めるようになるのは、特定復興再生拠点区域の避難指示解除が見込まれる2022年春ごろとまだ先だ。町は27年までに約2000人が暮らせるように整備を進めるが、「町に戻る」という意向のある町民は全体の1割しかいない。町の許可を得て、1月30日に特定復興再生拠点区域内を中心に車で回った。現状を報告する。(小川慎一、福岡範行)

双葉駅

3月14日のJR常磐線の全線開通に合わせて、整備中。駅舎の時計は2011年3月11日午後2時46分に起きた地震直後から止まったまま。3月26日に東京五輪の聖火リレーの走者が近くを走る見通し

再開発予定地

双葉駅西側では住宅の解体が進む。2022年春に目指す避難指示解除に向け、復興住宅を建設予定

双葉南小学校

教室や昇降口にはランドセルなどが残ったまま。子どもたちは地震直後に避難し、原発事故で学校に戻れなかった

町営前田団地

草が伸び放題の敷地は除染されていない。駐車場には車が、部屋には家具など生活用品が残る

常磐双葉インターチェンジ(IC)

3月7日に開通し、中間貯蔵施設への汚染土搬入などが効率化される

耕作再開モデル地区

荒れていた田畑は除染され、整備中。町は花の栽培などを目指している

太陽光発電

田畑だった場所にできた大規模太陽光発電所(メガソーラー)。2月1日から稼働し、年間発電量は一般家庭約6000世帯分の消費電力に相当する

建設が進む施設

町の産業交流センター(左)は7月にオープンし、コンビニやレストランが入る予定。東日本大震災・原子力災害伝承館(右)は県が整備。原発事故直後の様子を実写映像で伝えたり、被災した実物資料を展示したりする

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