グレタさんに続け 大学生ら気候危機訴える旅へ

 桜美林大学(東京都町田市)と恵泉女学園大(多摩市)の学生10人が10日、世界遺産に登録されているスペイン北部のキリスト教の巡礼道を歩く旅に出る。約40間、総距離850キロ。世界中から巡礼者が訪れるこの道で、出会った人たちに気候変動への危機感を訴える。各国に温暖化対策強化を求めるスウェーデンの環境活動家グレタ・トゥンベリさん(17)に刺激を受け、自らの意識とも向き合う旅だ。(松村裕子)

「Climate Crisi(気候危機)」と書いたTシャツを着て巡礼の旅に出る学生ら。後列中央は桃井和馬さん=東京都町田市で

 「グレタさんのスピーチを聞いても実感が持てない。あと100年は大丈夫だと思っている」。5日に桜美林大で開かれた壮行会で、同大1年の勝山愛菜(あいな)さん(19)は率直な思いを明かし、「危機感を持ち帰りたい」と語った。恵泉大1年の松本千佳さん(19)は「環境問題に関心はあるが、自分が何をすればいいか分からない」と、答えを見つけることを旅の目標に掲げた。
 参加する1~3年の男女10人は、両大で国際情勢論などを教える写真家桃井和馬(かずま)さん(57)の受講生。桃井さんは「世界を感じてほしい」と四年前から毎年、桜美林大生を引率して巡礼の道を歩いており、恵泉大生は今回が初挑戦となる。
 巡礼に際しては毎回、過去に参加した学生らが相談してテーマを設けている。今回は、桜美林大3年のダバンテス・ジャンウィルさん(22)の経験が一つの決め手になった。
 ダバンテスさんはグレタさんに感銘を受け、昨年11月に東京・新宿で地球温暖化対策を求めるデモに参加。声を上げる若者らを見ていた大人たちや、活動を冷やかした友人らの無関心さに衝撃を受けた。自分たちにできることを考え、行動する機会にしようと、今回の巡礼のテーマを「気候危機」に決めた。

2月10日にスペインへ出発「人ごとではない、伝えたい」

 学生たちは現地で「Climate Crisis(気候危機)」と印刷したそろいのTシャツを着て、手作りの旗を掲げる。フランス国境付近から毎日20~30キロを歩き、キリスト教三大聖地の一つで目的地のサンティアゴ・デ・コンポステラを目指す。
 宿泊所では同宿の巡礼者と環境問題を語り合い、出会った人に気候危機を訴える手作りの缶バッジを配る。日々の様子は、会員制交流サイト(SNS)フェイスブックの「世界遺産『サンティアゴ巡礼道』プロジェクト」で発信する。
 2回目の巡礼参加となる桜美林大2年の高橋豪哉(かつや)さん(22)は「グレタさんは世界の指導者へメッセージを発信したが、ぼくらは無関心な人たちに『人ごとではない』と伝えたい」と話している。

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