ミス多発の福島第一原発、東電が社員70~90人増員へ

 原子力規制委員会は1月16日、東京電力福島第一原発事故の収束作業について東電の小早川智明社長らと意見交換し、更田豊志(ふけた・とよし)委員長らは、現場を管理する社員が足りず負担が増していると強い懸念を示した。大量にたまり続ける放射性廃棄物の処分方法も検討を進めるよう、経営陣に求めた。(福岡範行)

東京電力の小早川智明社長(左)と意見交換する原子力規制委の更田豊志委員長=1月16日午前、東京都港区

 小早川社長は人手不足を認めた。そのうえで、4月に予定する組織改編で現場作業の管理部門を新設し、社員70~90人を本社から移し、一部社員への業務集中を解消するとした。
 社員約1000人が働く福島第一では、昨年7月に送電設備の設置を誤ってぼやが起きるなど、現場確認や図面作成を怠る単純ミスが原因のトラブルが続いている。
 小早川社長は「(担当者の)能力の課題もあった」と言及。更田委員長らは、規制委の聞き取りに東電社員が「業務量が多く、とても処理できない」と答えた例を示し、「現場は苦しい戦いをしている。必要なのは兵力(人員)の増強だ」と繰り返し求めた。
 また更田委員長は、原発構内に保管している使用済み核燃料や放射性廃棄物の処分先の調整を、東電が進めていないと指摘。調整には数10年かかる可能性があるとし、「現場作業と並行して経営層が進められる仕事のはずだ」と迫った。小早川社長は「検討します」と答えるにとどめた。
 東電は汚染水を浄化処理した後の水の処分について、国の方針決定を待つ姿勢を続けている。大量に出る廃棄物の処理を、東電が主体的に決めることができるのかは、事故収束作業を監視する規制委の懸案となっている。

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