大破の建屋、福島第一3号機を規制委が立ち入り調査

 2011年3月に炉心溶融と水素爆発が発生した東京電力福島第一原発3号機の原子炉建屋について、原子力規制委員会は12月26日、立ち入り調査で撮影した詳細な映像を公開した。映像では、大量のがれきが床全体を覆い、配管やダクトが折れて散乱。建屋内は原形をとどめておらず、事故の衝撃の大きさを改めて感じさせた。測定した最大の放射線量は2階の配管表面の毎時150ミリシーベルト。

東京電力福島第一原発3号機の原子炉建屋3階。設備が壊れている=12月12日(原子力規制委員会提供)

 大破した3号機内は、東電が18年2月にドローンで撮影した画像を公開しているが、詳細な映像の公開は初めて。12月12日に原子力規制庁職員6人が顔全体を覆うマスクを着け、防護服や手袋を重ね着して入った。建屋は5階建てで、主に3階の破損状況などを調べた。
 建屋内は真っ暗なためライトで照らし、階段で3階フロアに着くと内部はめちゃくちゃだ。人の胴体ほどの配管や筒状ダクトが天井や側壁のあちこちで垂れ下がり、前をふさぐ。天井のほぼ全体の部材がはがれ、梁(はり)はゆがみ、鉄筋はむきだし。爆発の衝撃が見て取れる。床全体を大小のがれきが覆い、ちぎれた金属片も多数散らばっていた。

福島第一原発3号機の原子炉建屋2階。設備が壊れ、がれきが散乱している=12月12日(規制委提供)

水素爆発は4階以上で発生か

 線量は事故直後に比べて低下したが、3階では毎時50ミリシーベルト以上を測定。映像でも「急いで通過してください」との切迫した声や、線量計のアラームが複数回聞こえた。
 規制委によると、3階の天井がたわむように下がっていたことから、水素爆発は4階以上で発生したと推定できるという。今後、爆発の力や、水素の流入経路などを分析する。
 規制委の調査は13~14年に実施し、中断。事故から8年が経過して現場の放射線量が低下したことで9月に再開を決めた。20年内をめどに報告書をまとめる。

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