東京湾セシウム 沖合は低濃度 千葉・花見川では最大878ベクレル 本紙2回目調査

 東京電力福島第一原発事故から四年半が過ぎた東京湾海底の放射性セシウム汚染の状況を、本紙は独協医科大の木村真三准教授(放射線衛生学)らと合同で調べた。本紙の東京湾調査は二回目。全般的に沖合の濃度は低かったものの、依然として河口周辺は高い汚染が残っており、関東平野に降ったセシウムが川で運ばれ、たまっている様子が明確に見て取れた。(大野孝志、山川剛史)

河口には蓄積

 調査は九月二十一~二十三日、ボートを使い実施。国がモニタリングを続けている地点に加え、東京湾に流れ込む主要な河川の河口部を独自に調べ、計四十四カ所で海底の堆積(たいせき)物を調べた。
 沖合では、昨年九月の調査と同様、採取後に乾燥させた堆積物に含まれるセシウムは、一キログラム当たり数十ベクレル前後が中心で、一ケタの地点もあり、魚への影響は、なさそうなレベルだった。国の測定値も、ほぼ同様の傾向を示した。ただ、濃度は昨年より下がってはいない。
 セシウムは福島第一原発由来で、本来なら自然界では数値はゼロに近い。
 沖合と対照的だったのが河口部の汚染。
 昨年は一〇〇〇ベクレルを超える汚染が確認された花見川(千葉市)の河口部では、最大値は小さくなったものの、二八八~八七八ベクレルと全般的に高く、汚染が拡散した印象もある。花見川は、今年一月の本紙調査で最大九四二ベクレルの汚染が確認された印旛沼(千葉県)とつながっている。
 東京都と千葉県境を流れる旧江戸川河口部では、川や近隣の浅瀬の汚染は非常に低かった一方、川と海がぶつかる付近で高かった。荒川(東京都)河口は全体的に昨年より下がったが、採取した堆積物には、褐色の土が含まれていた。調査の十日ほど前の大雨で流れてきた土砂が交ざり、濃度が一時的に下がった可能性もある。羽田空港周辺の多摩川(東京と神奈川県境)では、濃度は一〇〇ベクレル前後と昨年並みだった。
 調査には、ほかに茨城県立医療大の佐藤斉(ひとし)教授(放射線計測)と、長崎大の高辻俊宏教授(放射線生物物理)が参加した。
 調査結果に、高辻教授は「河口部に高い汚染が残っているのは、川の水が海水と混ざり、川が運び続けている放射性セシウムの粒子が底に沈んだからだ。潮流や川の流れで、汚染の分布は変わる。魚への影響も含めて、引き続き警戒が必要だ」と分析している。
 調査方法 ボートからロープで専用の採泥器を下ろし、海底の砂や泥などの堆積物を採取。完全に乾燥させた後、独協医科大と長崎大の協力により、高精度のゲルマニウム半導体検出器で三~二十四時間かけて測定した。衛星利用測位システム(GPS)で、原子力規制委員会の調査地点や昨年の本紙調査地点と極力ずれないようにした。

関連記事