こうなる2020年の原発 テロ対策未完2原発2基停止

 東京電力福島第一原発事故による帰還困難区域のうち、福島県双葉町、大熊町、富岡町で3月上旬、区域内にあるJR常磐線の三つの駅周辺の避難指示が解除される。福島第一があり、全町避難が続く双葉町での避難指示解除は初めて。(小川慎一)

 3駅は双葉、大野、夜ノ森。これに伴い、常磐線は不通が続く富岡(富岡町)−浪江(同県浪江町)間が3月14日に開通し、原発事故から9年ぶりに全線開通する。ただ避難指示解除で自由に出入りできるのは、駅につながる道路や駅前広場のみで、住宅は含まれない。復興拠点全体の避難指示解除は、双葉、大熊の二町が2022年春、富岡町は23年春の見込み。

関電2原発2基は再稼働へ向けて準備

 原発の稼働は18年以降、西日本にある5原発9基の態勢が続いてきた。20年は福井県に立地し、運転開始から40年を超えた関西電力の高浜1号機と美浜3号機の事故対策工事が終わり、再稼働に向けた地元手続きに入る。ただ、関電は経営幹部の金品受領問題で原発立地自治体からの信用が揺らいでおり、再稼働が遅れる可能性がある。
 一方、テロ対策施設の完成が定められた期限に間に合わず、運転を停止する原発も相次ぐ。鹿児島県の九州電力川内(せんだい)1号機は3月、2号機は5月に、福井県の関電高浜3号機は8月、4号機も10月に停止する。いずれも停止期間は6カ月以上と長期となる見込み。
 原子力規制委員会は2月にも、東北電力女川(おながわ)2号機(宮城県)について、再稼働に必要な事故対策が新規制基準に適合していると正式決定する。東北電は20年度中に事故対策工事を終えるが、東日本大震災で津波被災した原発の再稼働に、地元自治体が同意するかが最大の焦点となる。
 事故収束中の福島第一では、前年からの二つの大きな作業が続く。3号機使用済み核燃料プールからの核燃料取り出しは19年4月に始まったが、機器の不具合で半年ほど中断。核燃料500体以上が残り、完了目標の21年3月から遅れる可能性がある。1、2号機排気筒(高さ120メートル)を上から解体して半分にする作業も切断機器のトラブル続発で、完了目標が3月末から5月上旬となった。
 原子炉内に溶け落ちた核燃料(デブリ)の取り出しは、当初2号機で年内に試験的採取が予定されていたが、21年へ延期。政府と東電は、最難関である作業に向けた機器開発など準備を進める。

関連記事