人力切断までの8日間 福島第一原発 排気筒解体4ブロック目

 難航する東京電力福島第一原発1、2号機排気筒の解体作業は、4ブロック目で人力による切断という東電が想定した中では最悪の事態にいたった。
 それまでも筒本体の重みで、切断装置の回転のこぎりの刃が回りにくくなる状況はたびたび起きた。11月27日正午、ゆがんだ切り口に刃が押し曲げられ、傘型の切断装置は動けなくなった。
 装置が立ち往生したのは110メートル上空。すぐ下には損傷した建屋があり、放射線量は毎時0.08ミリシーベルト。
 そんな場所に、2班計6人の作業員を送り、切り残した部分1.3メートルを人力で切断。12月4日、辛うじて大ピンチを脱した。作業員を被ばくさせないための遠隔作業のはずが、最大約1ミリシーベルトの無用の被ばくを強いた。東電には計画の練り直しが迫られる。(山川剛史)

東京新聞こちら原発取材班(2019年12月11日)
人力切断2日目の様子を収めた動画

11月27正午。撮影と同じころ、変形した筒の切り口にのこぎり刃が挟まれ、切断装置は動けなくなった
11月27日夕。刃は抜けず、切断装置にも不具合ありと判明
11月28日夕。東電は人力による切断を発表。「29日夕にも実施」としていたが、その後、週明けに延期
30~12月1日、作業員らは本番と同じ全面マスク、防炎服を着用して作業手順や安全性を確かめた(東電提供)
3日午後3時すぎ、切断に当たる作業員3人がゴンドラで切断装置に移乗。朝には、別の3人が調査と給油をした
3日午後4時前、北側の切り残し部分の切断に取り掛かった。足場下の作業員は、冒頭の写真と同一
3日夕、暮れてからも作業は続いた(上の写真の、足場下の作業員と同一。東電提供)
4日午後0時38分、ようやく分離開始。5キロ離れた撮影場所からも切断がはっきり確認できた
時折、突風に近い風が吹く中、4ブロック目を抱えた切断装置は30分以上かけゆっくりと地上に下ろされた

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