人力で排気筒切断、4ブロック目の作業完了 福島第一原発

 東京電力は12月4日午前、福島第一原発1、2号機建屋脇に立つ排気筒の解体で、作業員を高さ110メートル付近の頂部まで上げて、電動工具で4ブロック目の筒本体を輪切りにする作業を終えた。昼過ぎには、頂部に設置したものの不具合で使えなくなった切断装置と一緒に、クレーンで地上につり下ろした。(小川慎一、山川剛史)

切った筒本体と切断装置が一緒にクレーンで地上につり下ろされた=12月4日午後0時45分ごろ、福島県双葉町から望遠レンズで(山川剛史撮影)

 午前8時半すぎ、クレーンでつり上げられた鉄製かごから作業員3人が筒頂部の切断装置に移った。その後、筒外周の足場からロープを着けて1メートル下り、ディスクグラインダーという充電式工具で筒本体を処理。輪切りする部分は前日の同様の作業で、20センチ分を残すだけとなっていた。
 午前10時40分すぎ、作業員をのせたかごがクレーンで地上に下ろされた。
 午後0時半すぎから、切った筒本体(高さ2メートル)と鉄塔部分を切断装置と一緒にクレーンでつり下ろした。解体した筒と鉄塔の重さは合わせて約10トン。

クレーンでつり上げられた筒本体と切断装置=12月4日午後0時40分ごろ、福島県双葉町から望遠レンズで(山川剛史撮影)

 作業員3人は放射性物質を体内に取り込まないように顔全体を覆うマスクをし、うち2人は切断時に出る火花で燃えない服も着ていた。1時間で0.1ミリシーベルト程度の放射線量を被ばくするリスクがある。
 排気筒解体は8月に始まり、頂部から2~3㍍ずつ、3ブロックの切断を終えていた。10月27日に始まった4ブロック目は、筒本体を支える鉄塔も切る傘型の装置を初投入した。これまでに使った装置よりも大きく、10トン近く重い。鉄塔の切断は順調に進んだが、11月27日に筒本体を内側から輪切りにする回転のこぎりの刃が、切れ目に挟まって抜けなくなり、装置の一部も故障。緊急時の最終手段である人力に頼らざるを得なくなった。

高さ110メートル付近の排気筒頂部の切断装置に移る作業員ら=12月4日午前9時前、福島県双葉町から望遠レンズで(山川剛史撮影)

12月3日の切断では作業員が最大0.52ミリシーベルトを被ばく

 東電によると、12月4日に切断を担当した3人は、3時間の作業で被ばく線量が最大0.29ミリシーベルト。前日3日に切断を担当した別の3人の被ばく線量は、3時間半で最大0.52ミリシーベルトだった。
 東電は排気筒を解体して、2020年3月までに高さを半分にする計画を立てた。しかし、トラブル続きで作業は遅れており、計画の見直しを迫られている。

筒本体の輪切りが終わり、作業員を乗せたかごがクレーンで地上に下ろされた=12月4日午前10時45分ごろ、福島県双葉町から望遠レンズで(山川剛史撮影)

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