再生エネ100%へ革命を、映画「気候戦士」監督に聞く

 気候変動の危機に立ち向かう人々の姿を描くドキュメンタリー映画「気候戦士」を撮影したドイツ人カール・A・フェヒナー監督(65)が、東京新聞のインタビューに応じた。千葉県などの台風被害を念頭に「気候変動問題の解決の道に進むか、何もせず負けるのかが問われている」と強調。映画公開の11月29日に東京や世界の各都市で気候変動デモがあることを踏まえ、「再生可能エネルギー100%利用に向けた革命を起こさなければ」と訴えた。(石川智規)

17歳の先住民でヒップホップ・アーティストのシューテスカット・マルティネス。映画の一場面から(ユナイテッドピープル提供)

 気候戦士は2018年の製作。フェヒナー氏は29日からの日本公開に合わせて来日した。映画は、温室効果ガスの削減に向けて米国政府を提訴した17歳の米国人の活動家や、再エネ普及に取り組む研究家などの姿を追う。
 フェヒナー氏は「若者や老人、大富豪から貧しい人まで気候変動にあらがう人たちがいる。その抵抗や活動を私は『優しい革命』と呼ぶ。この映画は、その革命にみなさんをお招きする招待状だ」と語った。
 29日からヒューマントラストシネマ渋谷(東京都渋谷区)、12月14日からは横浜シネマリン(横浜市中区)で公開される。

ドキュメンタリー映画「気候戦士」を撮ったカール・フェヒナー監督=東京都千代田区内幸町で

日本は世界の手本に

 フェヒナー氏に映画に込めた思いや日本へのメッセージなどを聞いた。
-この映画で伝えたいことは。
「さまざまな人が気候変動に抵抗している。そういうイメージを映し出したいと思った。立場は関係なく、誰もが気候戦士になれるということを」

-映画の撮影を通して印象に残った活動家は。
「英国の原発の警備部トップをやっていた男性ピーター・スミスだ。原発の安全性への疑問を声に出し、仕事仲間や友人を失って退職した。その後はデモなどで力強く活動している。自分自身の心に従い動いた人間だと共感した」

-長年にわたり気候変動問題を取り上げている。
「日本の台風被害をはじめ、世界で環境的な要因で何百万人もが命を失い、環境や気候の変化で難民になる人も増えている。再生可能エネルギーの普及に向け、この10年以内に行動を起こさなければならない」

-日本の環境政策をどうみているか。
「先進国で唯一、石炭火力発電所の新設計画がある。率直に言って間違った方向だ。日本人は規律正しく優れた環境技術がある。世界の手本といわれる存在になってほしい」

カール・A・フェヒナー氏

映画監督。テレビ向けドキュメンタリーなどで25年以上、気候変動問題を追う。2010年に再生可能エネルギーをテーマにしたドキュメンタリー映画「第4の革命」で初めて監督を務めた。「気候戦士」は監督として3作目の作品。

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