上流部で高濃度汚染 基準超2カ所 手賀沼に注ぐ大堀川 本紙が追加調査

 一月に実施した水郷地帯(千葉、茨城県)の放射能汚染調査で、手賀沼(千葉県)の汚染度が特に高かったことから、本紙はこの沼に流れ込む大堀川の上流部を追加的に調べた。その結果、通常の廃棄物とは異なる特別な管理が求められる基準(一キログラム当たり八〇〇〇ベクレル)を超える高濃度汚染も確認された。(山川剛史、小倉貞俊)
 調査は二月十六、二十七の両日、柏、流山両市の住宅街を水源地とする大堀川を対象に実施。川の底土や周辺の土を採取し、乾燥させた後、それぞれ三~八時間かけ放射性セシウム濃度を測定した。
 結果は左図の通り。手賀沼の底土は一〇〇〇ベクレル前後だったのに対し、大堀川は上流に行くほど濃度が高くなる傾向にあり、底土の最高値は二七〇五ベクレルあった。
 この川には、大雨などの際に洪水を防ぐための調節池がいくつもある。その最も上流の池(流山市)の濃度が高かった。空間の放射線量も一段高かったことから、採取ポイントを大幅に増やして再々調査した。
 池の左右の岸で各三点を選び、住宅地の高さ、池に下りる途中ののり面、底部と高さを変え、線量やセシウム濃度を調べた。
 高さによって数値は明らかに違った。住宅地と池の境目の線量は毎時〇・一二~〇・一八マイクロシーベルトだったが、底部に下りていくにつれて上昇。セシウム濃度は、のり面の一二二~一三六四ベクレルから、底部は二四四〇~五七五四ベクレルと急上昇した。
 池のほぼ中央部にパイプで立ち入り禁止の柵が設けられていた。柵の内部も調べると、線量は国の長期的な除染目標(〇・二三マイクロシーベルト)の二、三倍にまで上がり、土を三点で採取したところ、うち二点で廃棄物の基準を上回る高濃度のセシウムが検出された。
 底付近は、通常は陸地だが、雨が降ると水没することが多い。汚れた土砂が運ばれ、水没と乾燥を繰り返すうち、濃度が上がっていった可能性が高い。
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 特に汚染度が高かった調節池は、新しく造成された住宅街の中にあり、普段は遊歩道のある親水公園として近隣住民の憩いの場になっている。本紙は全ての測定データを、管理者の千葉県と流山市に提供した。
 県と市は十日までに現地の状況を再確認し、協議した結果、「当面の対応として注意喚起を呼び掛ける看板を複数箇所に立て、ホームページでも周知する」ことになった。土砂をたまりにくくするため、遊歩道を高く舗装し直すなどの対策も検討するという。
 ただ、本紙が調査した日も、問題の地点のすぐ脇をお年寄りが散歩したり、父親に連れられて幼児が三輪車をこいだりしていた。カワセミやキジなども飛来し、写真愛好家の撮影スポットにもなっている。
 表土の除去(除染)について、県や市は「増水ですぐ底に汚染がたまる」と消極的だったが、注意喚起だけで十分か疑問も残る。

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