処理済み水タンク16万トン分不足 東電、25年に処分開始試算

 東京電力福島第一原発で汚染水の浄化処理後にタンクで保管を続ける放射性物質トリチウムを含む水を巡り、処分を検討する政府の小委員会が11月18日、都内で会合を開いた。東電は2025五年にこの水の処分を始めた場合、タンクが16万トン分不足するという試算結果を明らかにした。東電は22年夏ごろに、計画した137万トン分のタンク容量が限界を迎えるとしている。タンク増設については敷地に余裕がないとして後ろ向き。事務局の経済産業省資源エネルギー庁とともに、海などへの放出処分の決定を急ぎたい姿勢を明確にしつつある。(渡辺聖子)

福島第1原発の処理済み水の扱いを議論する政府小委の会合=11月18日午前、東京都港区

 試算では、処理済み水の処分を30年に始めた場合は41万トン分、35年開始なら64万トン分のタンク不足が生じるとした。
 事務局側はこの日、現時点で保管する処理済み水117万トンには約860兆ベクレルのトリチウムを含むと説明。これを1年間で海か大気中に放出処分した場合、国連科学委員会の評価モデルで推計すると、人への放射線の影響は自然に被ばくする線量と比べても「十分に小さい」と強調した。
 また、国内の原発では国の基準を満たしながら、年間数千億~100兆ベクレルのトリチウムを含む放射性物質を海に放出処分し、青森県六ケ所村の再処理工場では07年度に1300兆ベクレルを海に放出したと付け加えた。
 16年11月に始まった小委の議論について、事務局担当者は会合後の取材に「時間をかけるつもりはない」と終盤を迎えたことを示唆。政府への提言をまとめる時期が近づいてきた。

福島第一原発の処理済み水とは?

事故で溶け落ちた核燃料がある福島第一原発1~3号機の建屋内に注ぎ続けている冷却水や、流入した地下水で発生した汚染水を、多核種除去設備(ALPS)で浄化処理した水。同設備で除去できない放射性物質トリチウムが含まれる一方、他の放射性物質も一部残留しているのが判明した。原発敷地内でタンクに保管中だが容量の限界が近づき、廃炉作業への影響が懸念される。トリチウムは人体への影響が比較的小さいとされ、他の原発では希釈して海に放出している。

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