福島汚染水の浄化後処分、タンク増設含め議論 政府小委

 東京電力福島第一原発で増え続ける汚染水を浄化処理した後の水の処分を検討する政府の小委員会が9月27日、都内であった。水を保管するタンク容量の限界が2022年夏に迫る中、委員長の山本一良(いちろう)・名古屋学芸大副学長は「タンク増設を含めた敷地の有効利用を徹底的に進めるべきだという方針で議論を進めたい」と述べた。小委が政府への提言をとりまとめる時期は依然見通せない。(渡辺聖子)

福島第1原発の処理水の扱いを議論する政府小委で発言する山本一良委員長=9月27日午後、東京都港区

 前回8月の会合では、有識者の委員から隣接地での保管の検討を求める意見が出た。この日、事務局の経済産業省資源エネルギー庁の担当者が、敷地外の利用は課題が多いと説明。東電の担当者も、1~3号機の原子炉から取り出す溶融核燃料(デブリ)を保管するためなど、20年代には8施設が必要で、タンクの大幅増設には限界があると、前回と同じ説明に終始した。
 東電は、タンクで保管する放射性物質トリチウムなどを含む水の処理方法のうち、国内外で実績がある海洋放出と水蒸気放出について、必要となる設備や手順、風評被害の抑制に向けた取り組みを初めて公表。ジャーナリストの崎田裕子委員は議論を進めるために、処理のスケジュールに関する具体的な資料の提出を求めた。
 大阪市の松井一郎市長らが処理後の水の大阪湾放出に言及したことについて、水産研究・教育機構中央水産研究所の森田貴己委員が実現可能性を質問し、オブザーバーの原子力規制庁の担当者は「規制上は可能」と回答。ただ、水の敷地外搬出は課題が多いと否定的見解も示し、森田委員は「きちんと説明しないと、いろいろなところで発言が出る」と政府側の説明不足にくぎを刺した。

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