「自宅から出るな」東海村長、発言陳謝「表現行き過ぎた」

 日本原子力発電東海第二原発が立地する茨城県東海村の山田修村長が原子力業界誌の対談で、原発再稼働に否定的な人に対し「全ての外部電源を遮断して自家発電だけで生活してもらわなくてはいけない。(社会インフラの電気を使うことになるので)自宅から一歩も出てはいけない」と発言していた問題で、山田氏は11月15日、村役場で面会した村議らに「行き過ぎた表現だった」と陳謝した。
 山田氏は面会で「対談という形式の中で、(再稼働に前向きな主張をする)相手に擦り寄るような形で発言した。言葉遣いには配慮がもう少し必要だったかなと反省している。真摯(しんし)に批判は受け止める」とした。
 対談でBWRの再稼働が不可欠との認識を示したことについては「(東海第二とその他の原発を)自分の中では切り分けているつもりだが、私がしゃべると東海第二を意識しているように思われる。注意が必要だった」と釈明した。(宮尾幹成)

雑誌の対談での発言について釈明する山田修・東海村長(中)=茨城県東海村役場で

 東海村の山田修村長が原子力業界誌の対談で、村に立地する日本原子力発電東海第二原発の再稼働を容認すると受け取れる発言をしたことを巡り、山田村長は15日、公の場で初めて口を開いた。村役場での村議らとの面会で「再稼働を待っている立地自治体の首長の声も聞いているが、東海第二はそんな雰囲気になっていない。切り分けているつもりだったが、私がしゃべると東海第二を意識していると思われる」と釈明した。

東海村の山田修村長と新潟県刈羽村の品田宏夫村長による対談の掲載誌

 山田村長は「ENERGY for the FUTURE」(ナショナルピーアール社・東京)の10月5日号で、東京電力柏崎刈羽原発がある新潟県刈羽村の品田宏夫村長と対談。沸騰水型原子炉(BWR)を備える東海第二や柏崎刈羽について意見を交わす中で、「安定的な電力の供給は絶対に欠かせない。BWRについてもしっかりと再稼働していく必要がある」と語っていた。
 対談で山田村長は、再稼働に否定的な人に対し「全ての外部電源を遮断して自家発電だけで生活してもらわなくてはいけない。自宅から一歩も出てはいけない」とも指摘している。これについては面会で「社会インフラとして安定的な電気を今、火力が担っているが、それだけで大丈夫なのかという思い」だったと説明した上で、「行き過ぎた表現だった」と陳謝した。
 対談では、再稼働に不可欠な避難計画の策定に関しても「(東海第二の30キロ圏内の)94万人が一斉に動いたら、バス何千台の用意なんてできない。(実際の原発事故時は)時間的な余裕があるから、冷静に動けば(避難は)できる」と言及。この点については「段階的避難という前提がなければ、計画を作っても実効性がないのは明らかだ」との意図だったと説明した。
 面会には阿部功志(こうし)、清宮寿子(せいみやとしこ)、恵利(えり)いつ(無所属)、大名美恵子(共産)の各村議が参加。大名村議が「住民の意向を把握するまでもなく、村長の中では(再稼働容認の)結論が出ているのではないか」とただしたところ、山田村長は「最終的には住民の意見が一番。私がどう言おうと住民の総意が反対なら反対になる。首長一人の意見でどうにでもなるとは思っていない」と回答した。住民意向のくみ取り方は「まだ決まっていない」とした。
 21日には、相沢一正元村議や市民団体「原発いらない茨城アクション実行委員会」のメンバーらが山田村長と面会する予定。

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