台風19号で福島第一原発に大きな被害なし

 東京電力福島第一原発では台風19号の通過に備えて、事前に大型クレーンをたたむなどしていたこともあり、大きな被害はなかった。ただ大量の雨が、損傷した原子炉建屋の屋根などから内部に入り込み、建屋内に浸入する地下水も増加。東電の推計では流入した水は約3000トンに上るという。高濃度の放射性物質を含む汚染水が一時的に増えるものの、設備に異常はなく浄化処理を続けている。
 東電によると、12~13日に建屋や浄化設備に設置した水漏れなどを知らせる警報が10件発生。機器に雨が入り込むなどしたことによる故障や誤作動が原因で、実際に汚染水が漏れた形跡はなかった。警報の影響で、建屋にたまる汚染水のくみ上げは12日午後5時前~13日午前5時半前まで、およそ半日中断した。
 敷地ではのり面や道路が崩れた場所が6カ所あったが、けが人はいなかった。
 1、2号機原子炉建屋そばに立つ排気筒(高さ約120メートル)の解体作業は近く、再開する予定。

10月11日、福島第一原発では台風に備えて構内の大型クレーンがたたまれた(東電ライブカメラ映像から)

大型クレーンをたたむなど事前警戒

 福島第一原発では台風19号に伴い記録的大雨も予想され、高濃度の放射性物質を含む汚染水が大幅に増える可能性があり、東電は警戒を強めていた。
 11日は強風で倒れる可能性がある大型クレーン6台をたたんだ。福島地方気象台によると、原発がある浜通り地域では12日正午からの24時間降水量が300~400ミリに達する恐れがある。風速も毎秒20メートル以上と、屋根瓦がはがれたり、看板が落下したりするほどの非常に強い風となる見込み。
 福島第一では事故時の水素爆発の影響で、原子炉建屋などの屋根が損傷。雨が流入すると、事故で溶け落ちた核燃料(デブリ)などの放射性物質と触れて汚染水となり、大雨時には建屋に流入する地下水も増える。9月の台風15号では建屋への雨と地下水の流入が1日170トンと、通常時の倍になった。

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