1、2号機排気筒の解体作業、また中断 福島第一原発

 東京電力は8月21日、損傷の激しい福島第一原発1、2号機排気筒(高さ120メートル、直径約3メートル)上端の一部(約2メートル分)を輪切りにする解体作業を再開した。しかし、筒本体の半周分を切り終えた後、切断装置に四つ付いている回転のこぎりの一つが動かなくなり、この日の作業を中止した。装置を交換するなどして作業再開を目指すが、日程のめどは立っていない。(小川慎一)

回転のこぎりの故障で作業は中止。福島第一原発1、2号機の排気筒からつり下ろされる切断装置(福島県双葉町から望遠レンズで撮影)

 東電によると、21日午後1時前にクレーンで切断装置(重さ約24トン)をつるし上げて筒上端に設置。半周を切るはずだった前回の7日に装置の故障で中断してやり残した10センチ分を切った。あと半周分を切ろうとしたが、回転のこぎりが動かなくなった。朝の点検では問題なかったという。
 筒本体の輪切りは切断部が70%を超えると、強風や地震の強い揺れに耐えられなくなる。このため半周以上を切る場合、作業を始めると中止は困難で、切った筒本体をクレーンで切断装置と一緒につり下ろさなければ、その日の工程を終えられなくなる。
 今月1日の解体着手以降、装置の不具合が続いているが、東電は2020年3月までに上半分を解体する目標を変えていない。

電源ケーブル外れて故障、東電が原因公表

 東電は8月22日の記者会見で、福島第一原発1、2号機排気筒の解体作業で使う切断装置の故障について、電源ケーブルが外れていたことが原因だったと発表した。
 東電によると、切断装置に付いている回転のこぎりの電源ケーブル3本のうち、1本が抜けていた。ケーブルは金属などでできた端子に挟み込んでつないでいるが、抜けた1本はケーブルの長さが短く、ケーブルの被覆をむいて端子に挟み込んだ部分も短かった。施工は専用工具を用いて資格者が行い、実機を使った実証試験では同様の不具合は起きていなかったという。
 担当者は「1本だけ短かったため、繰り返し力がかかり、実証試験から1年たつ中で抜けてしまったのではないかと推定している。被覆をむいた長さが2ミリと短かったことが作用したことも、可能性としてはある」と話した。

3本のケーブルのうち、1本で端子と電線が外れていた(東電提供)

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