排気筒本体の切断開始も中断、再開は8月19日以降 福島第一原発

 東京電力は8月7日、福島第一原発1、2号機原子炉建屋そばに立つ排気筒(高さ120メートル、直径約3メートル)を輪切りにする作業を始めた。この日は最上部から2メートル分を切断する予定だったが、回転のこぎりの刃の減りが早く刃の交換に時間を要し、再開後はのこぎりが故障し、作業を中止した。8日の会見で、排気筒の解体作業を19日以降に再開すると発表。早期再開を目指したものの、お盆休みや台風接近が予想されるため、10日以上期間があくことになった。

排気筒の上端部に切断装置を設置し筒本体の切断作業を進めたが、途中でのこぎりが切れなくなった=8月7日、福島県大熊町の東京電力福島第一原発で

 7日は午前7時ごろから切断装置をつり上げ、排気筒の最上部に設置。同9時すぎから筒本体を内側から切断し始めたが、輪切りの半周近くまで切ったところで、のこぎりが切れなくなり、装置を下ろして刃を交換した。
 作業を再開したものの、今度は4枚あるのこぎりの刃の1枚が動かなくなり、再び装置を下ろして修理することになった。
 東電は8日の会見で、のこぎりの刃が想定よりも早い時点で使えなくなったと説明。鉄製の筒本体の溶接部分が予想以上に硬かったことや、切れているかを確認するためにのこぎりを切れ目から抜き、再度差し込んだことで刃が摩耗してしまったという。東電は今後、刃に過剰な負担をかけない方法で作業をする。途中まで切断された筒本体について、担当者は「強風や地震で落ちることはない」と説明した。
 1日に始まった解体作業は、遠隔操作で切断するアームロボットが通信トラブルで動かなくなったり、猛暑で作業員が熱中症になったりと、困難続きの中で進められている。
 排気筒は、事故発生当初に原子炉格納容器の圧力を下げるベント(排気)に使われ、筒内部は高濃度の放射性物質で汚染されている。中央付近の支柱には損傷が見つかっており、東電は他の収束作業の安全確保のため、2020年3月までに上半分を解体する予定。

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