福島第一原発1、2号機排気筒の解体始まる

 東京電力は8月1日、福島第一原発1、2号機の建屋近くに立つ、損傷の激しい排気筒の解体作業を始めた。専用の切断装置(重さ約24トン)を大型クレーンでつり上げ、高さ約120メートルの筒の先端に設置。遠隔操作のアームロボットにより筒の周囲のはしごの切断に着手した。

大型クレーンで切断装置をつるして、排気筒上端に運ぶ様子=福島県大熊町の東京電力福島第一原発で、8月1日午後0時56分

 排気筒は2011年の事故の際、1号機の原子炉格納容器の圧力を下げる「ベント(排気)」に使われ、内部は高濃度の放射性物質で汚染された。筒中央部付近の支柱と斜材の接合部9カ所では、破断や損傷が見つかっている。倒壊すれば、他の事故収束作業がさらに難しくなるため、東電は20年3月までに上半分を解体してリスクを下げる。
 1日の作業では、午前7時半前ごろに切断装置をクレーンでつり上げたが、途中で装置の一部が動かなくなり、いったん地上に下ろした。装置を整備後、午後1時前に再びつり上げ、午後4時前に筒の先端に装置をはめ込んだ。この日は早朝から夜11時ごろまで作業が続いた。
 2日以降は筒本体や支柱を上端から約2~4メートルずつ輪切りにしていき、装置と一緒に地上に下ろす。
 解体作業は3月に始める計画があったが、装置の修理などで5月に延期。だがクレーンの高さが足りず、再び延期していた。

排気筒先端に切断装置が設置された=福島県大熊町で、8月1日午後3時54分
切断装置を排気筒上部からつり下ろす様子=福島県大熊町で、8月1日午後9時8分

猛暑で筒本体の輪切り作業を6日に延期

 東京電力は8月2日、予定していた福島第一原発1、2号機排気筒(高さ約120メートル)上端の一部を輪切りにする解体作業を中止し、6日に延期した。猛暑が予想されたほか、2日未明から早朝にかけて、担当作業員3人が現場で体調不良を訴えたため。うち2人は熱中症と診断された。いずれも自宅で休養したという。
 6日は、クレーンで切断装置をつるし上げて、筒上端から筒本体を約2メートル分輪切りにして、地上に下ろす予定。初日となった1日は、筒上端の外側に付いているはしごを切断した。

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