テロ対策施設の完成間に合わず、川内1号機が20年3月に停止へ

 原発のテロ対策施設「特定重大事故等対処施設」が設置期限までに完成しなかった場合、原子力規制委員会は電力会社に、原発の運転停止を命じることを決めた。関西、四国、九州の3電力会社では、再稼働した原発を含む5原発10基で施設の完成が大規模な土木工事が必要なために期限より1~2年半遅れる見通し。2020年3月に期限を迎える九電川内(せんだい)1号機(鹿児島県)は停止が確実で、5月に川内2号機、8月に関電高浜3号機(福井県)が停止する見込みとなっている。
 テロ対策施設は、意図的な航空機衝突などでも原子炉の冷却を続けるための設備。東京電力福島第一原発事故後にできた原発の新規制基準で義務付けられた。規制委が原発の工事計画を認可した日から5年以内に完成しなければならない。
 福島第一3号機では4月、使用済み核燃料プールからの核燃料取り出しが始まった。メルトダウン(炉心溶融)を起こした1~3号機では初。冷却保管中の核燃料566体のうち、未使用核燃料7体を高台の共用プールに搬出。7月に作業を再開し、搬出完了までは2年程度かかる。現場は放射線量が高く、遠隔操作のため、作業は難航が予想される。
 川内1、2号機の設置許可取り消しを国に求めた住民訴訟で、福岡地裁(倉沢守春裁判長)は6月17日の判決で訴えを退けた。住民側は火山噴火の危険性の検討が不十分と主張したが、地裁は規制委の審査を合理的と判断。住民側は判決を不服として控訴した。  (小川慎一)

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